平成30年7月、大変な豪雨災害が西日本を襲いました。大きな災害が発生するたびに、その災害から多くを学び、未来に起こる可能性のある災害に対し最善の備えをする。これは市民の命を守るための自治体の責務だと私は考えます。武蔵野市は幸いにして大きな河川もなく、地盤も丈夫とされております。しかし、何かが発生した際に市民が身を寄せることになっているのは避難所です。災害時には避難所についての報道も多々ありました。

 我慢することが当然というような空気もある避難所ですが、今回の豪雨災害においては酷暑対策のため、国主導でエアコンの設置が行われました。これは当然の設置だと考えます。気温や湿度、悪条件が重なれば、エアコン設置前に命は危険にさらされる可能性もありますし、そもそも生命の危険のある環境で子どもたちが授業や部活動を行っているとも考えられます。もちろん学校教育においては気温、湿度が適切にチェックされてはいますが、リスクとしては考えるべきです。

 避難所にはスフィア基準という国際基準があります。これはアフリカ、ルアンダの難民キャンプで多くの方が亡くなったことから、国際赤十字などが20年前につくった基準です。その後、災害の避難所にも使われるようになり、紛争や災害の際の避難所の環境についての最低基準と定められております。この基準によると、例えば居住スペースは1人当たり最低3.5平方メートルが必要、快適な温度と換気が必要である。ほかにも、トイレは20人に1つ、女性トイレは男性トイレの3倍必要、現状の日本の避難所からはとても想像ができないほど理想的な基準が記載されています。

 このスフィア基準がなぜ自然災害大国の日本で導入されていないのでしょう。せめて、避難生活を最低限快適に過ごせるように備えることができないのでしょうか。そうすることで災害関連死も防ぐことができます。
防災ガマ

 第三回定例会では上記内容について一般質問を行い、それに対して「スフィア基準を参考にしつつ、避難所の質の向上に務める」と答弁がありました。今後、しっかりと注視していきます。体育館のエアコン設置については、暑さ対策が必要なことは認識しているが、冷房効果のあるものを設置しながら様子を見ていきたいとのことでした。引き続き、効率的にエアコンを利用できる環境整備も含めてエアコンの設置を訴えていきます。