12月11日に開かれた文教委員会において、「小学校区単位での施設一体型小中一貫校による小中一貫教育の実施の是非について」の行政報告が行われ、一定の結論に至った。結論は次の通り。


 すべての小学校区単位での施設一体型小中一貫校による小中一貫教育の実施の是非について
 (懇談会の判断)

  • 中学校に相当する後期課程の規模や施設一体型校舎における児童・生徒の学校生活への影響のほか、地域コミュニティ等に与える影響・課題や、防災上の課題、移行期間中の課題、現状の児童・生徒数の増加や施設設置上の課題、建設費用など、本市の学校環境がおかれている現時点での状況を総合的に踏まえると、本懇談会としては、すべての小学校単位での施設一体型小中一貫校による小中一貫教育は実施するべきではないと判断する。

  • 今後も、子どもを中心に考えたきめ細やかな教育を推進するとともに、これまでの小中一貫教育の実施の是非における議論や小中連携教育研究協力校の実践を踏まえ、従来の学校環境のもと、小中連携教育を含む教育課程の充実や、更なる学校における福祉機能の強化等により、これまで教育委員会が示してきた「これからの武蔵野市の学校教育に求められる目的、目標」を追求するべきである。

 上記、結論に至るにあたり「課題・論点」としてあげられたのは次の通り。
  • 中学校に相当する後期課程の規模が相対的に小さくなるため、人間関係の広がりやリセットされる面が少なくなることへの懸念。
  • 9学年が混在する中での安全面に関する懸念。
  • 重層的にな地域コミュニティが形成されており、各種活動に対する影響が大きい。青少協、開かれた学校づくり協議会、PTAのなどの関係団体の再編が必要になる。
  • すべての学区での実施では20年以上の長期の移行期間が必要であること。
  • 12あるうちの3の小学校区において、児童生徒蔵の影響もあり、必要延床面積が建築可能延床面積を上回る。
 上記のように課題も多くあり、このことから全12校での施設一体型小中一貫校を設置することは物理的な困難がある。これらの課題は議論がはじまった平成27年度から議会でも指摘(推進していた議員を除き)をしてきた経緯がある。

 今回の答申は現在策定中の第六期長期計画の中に反映され、長期計画に対する審議の中で確定する予定だ。