9月22日、武蔵野市議会第3回定例会最終日、議員提出議案として「沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を埋立てに使用しないことを求める意見書」を提出。本会議で審議され全会一致で可決した。内容は次の通り。
太平洋戦争末期、本土からも数多くの兵士が送られた沖縄戦では、一般住民を巻き込んだ凄絶な地上戦が行われた。毎年6月23日の沖縄戦終結の日には、さきの大戦で貴い犠牲となった戦没者の慰霊と、恒久平和を祈り、沖縄全戦没者追悼式が開かれている。
同追悼式が開かれる糸満市摩文仁の平和記念公園内の「平和の礎」には、国籍や軍民の別なく、24万1,632名の犠牲者の名前が刻まれている(2021年6月現在)。この摩文仁を中心とした沖縄本島の南部地域は、1972年の本土復帰に伴い、戦跡としては我が国唯一の「沖縄戦跡国営公園」として指定された。本島南部地域は日本軍司令部が置かれたことで沖縄戦の中でも激戦の地となり、犠牲を強いられた住民や兵士の遺骨が、戦後76年を経た今もなお残されている。長くボランティアの人々により戦没者の遺骨の収集が続けられてきたが、「戦没者の遺骨収集の促進に関する法律」(2016年施行)では、2016年から2024年を、沖縄のほか東京小笠原諸島硫黄島をはじめ国内外の遺骨収集の集中実施期間としている。
こうした中、昨年国は、戦没者の遺骨が残る南部地域の土砂を埋立て工事に使用する申請を沖縄県に提出した。戦没者の遺骨を含む土砂を埋立てに使用することは、遺族の悲痛を倍化させるのみならず、戦没者を冒涜するものであり、人道上許されない行為である。
よって、武蔵野市議会は、政府及び関係機関に対して下記の事項を求めるものである。
記
- 沖縄戦の戦没者の遺骨を含む土砂を埋立てに使用しないこと。
- 「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」に基づき、政府の責務として戦没者の遺骨収集を行うこと。